お姉ちゃんのマグ

私の兄弟の中の唯一の上は、二つ上の姉。アメリカに住んでいる。

30代半ばで結婚しアメリカに渡った。ちょっとした変わり者。頭というか頭脳はとても良いのだが、超がつくど天然である。しかし頭は良いので、病気となった私は今はとても助けられている。姉も以前精神的に不調になった経験があるので、薬の相談に乗ってくれたり、辛いことを分かち合ってくれたり励ましてくれたり。最近は私の障害者年金が取れるようにと、日本に帰ってきた時は、過去の病院を訪ねたり色々なところに足を運び、書類作成をしてくれていて、本当にありがたい存在。この姉がいなければ私は生きていなかっただろう。と本当に思う。

姉はアメリカの西海岸のある都市に住んでいる。帰ってくる時はもちろんお土産を持って帰ってきてくれる。アメリカにしか売っていないチョコレートや、向こうではとてもメジャーであるデカフェの紅茶なんかはすごくありがたくて嬉しい。私はカフェインにも弱いからだ。日本のデカフェは高い。種類も少ない。だから大変に貴重だ。

食べ物は問題なく嬉しい。しかし。いつも、お姉ちゃん…そのセンスは何かな??というようなマグカップをかなりの頻度で買ってくる。まずアメリカサイズというだけでデカい。スタバのご当地マグとかも、すごくデカい。持ち上げるだけで手が疲れる!って感じ。何年か前はハリネズミの頭部?の姿形をしたマグを買ってきた。コワい。それにめちゃくちゃ飲みづらい。使うか迷ったが、やっぱりコワいので、小さなグリーンの植木鉢として使用している。それなら、カワイイ!という感じで使える。使えている。この前帰ってきた時は、取手のところにキングコングがしがみついているという体のをくれた。…これもコワい。うーん、子供の男児なら喜ぶかもしれないけど。。微妙…。なのでそれは妹にあげた。妹のところには7歳女児、3歳男児もいるしね。たまにカワイイのもあるのだが、最近はどうしてしまったのか、はたまたウケ狙いに走っているのか本当にわからない。マグが迷走している。そんな姉からクリスマスプレゼントが今日、はるばるアメリカから届いた。それは日本にいる兄弟の家族に当てたビスケットの、お家を作るキットだ。毎年恒例のやつだ。アメリカにはそんな風習があるらしい。ビスケットで家を作り飾っておくのだそうだ。クリスマスまで。そのクッキー?かな、ジンジャークッキーなのだそうだが、兄弟の間で評価はまちまちだ。美味しいという者あり、イマイチという者あり。私は去年初めて食べてみたが、結構いける派であった。だから今年、荷物の中に、『これは実家に』というのがあって、うち用のジンジャークッキーだ、やった!と思って喜んで開けた。しかし、入っていたのはクッキーではなく、四角い箱が3つ。クッキーじゃない!マグカップだ、これ!!わたしのハイテンションはみるみる下がった。案の定それは父、母、私用のマグだった。これがまたさすがというセンス。自分でデザインしたのか、ただ名入れを頼んだのかはわからない。とっても大きなコップに、私のファーストネームがドーンと印刷してある。。おーい。四十路の女性がこれ使うんですか〜〜。恥ずかしいんですけど〜〜。気持ちは嬉しい。お姉ちゃんの愛情がたっぷり。それは痛いほどわかるよ…。お姉ちゃん。でも、でも、…。これは飾っとこうかな。それかまた観葉植物の植木鉢にしようかな。でも、おねえちゃんありがとう。