兼近に感動する

お笑いは最近とても好きだ。きっかけは去年の秋頃からすごく具合が悪くなって何にもできなかった時、ひたすらYouTubeでお笑いのネタを見続けたこと。それから定期的に見るようになった。はじめはミキで、和牛になり、それから今までも好きだったいろいろのお気に入りの芸人さんのをたまに見ている。心が不安定な時や落ち込みまくっている時は、ネタを見るのが薬になる時もある。笑いの力はすごい。本当に免疫力が上がるのを感じる。非常時にはいらない職業だ、とか自身のことを言う芸人さんもいるけど、そんなことは全くない。笑うことは健康になることに直結する。絶対になくなってはいけない文化だ。音楽とかと一緒だ。

最近exitという漫才コンビが活躍しているが、なかなか好きだ。二人ともチャラいという設定の漫才なのだが、まあある程度は本当にチャラいんだけど、意外とちゃんとしている。ネタが。出始めの頃はその外見で敬遠していたけど、最近ネタ番組とかで彼らのネタを見ると、みんなにやさしいネタばかりだなあと思う。おじいちゃんとおばあちゃんに扮してコント漫才をしたり、相撲のことを解説する漫才とか。オリンピックの競技説明をする漫才も面白かったなあ。なので最近は、ふたりとも見かけチャラいけど頭はしっかりしてるんだな。とか失礼なことを感想に抱いている。

ボケ担当の兼近の方は、未成年の頃に逮捕歴があるらしい。そういえばちょっと前にテレビで言っていた気がする。でも未成年の10年も前のことを?ってちょっと引いた。そんなことをわざわざ言ったりするメディアにだ。もう更生してちゃんとしてるんだからそんなこと言わなくていいじゃん。と思った。まあそれはそれでいいけど。ところで今日ネットで兼近のインタビューの記事が載ってて、読んでいたらなんか感動してしまった。日本の格差社会を底辺の当事者だった人間として、この国の格差の問題構造がしっかりわかっている。そこから抜け出す難しさも身を持って知っている。それでいて自分は逮捕という経験から自分を変え、そこから抜け出し(警察のお世話にはなったが)、芸人になるという夢を見つけてかなえて、とても日の当たるところにいる。これってすごいことだよな〜って思う。他にも底辺から抜け出して更生した?というか、人として立派になって成功した人は沢山いることだろう。でも、彼のように著名人になりその経験を語るということ、そして更生することの大変さをしっかり理解したその上で、更生できる、と発信することはものすごく希望になると思う。今底辺にいる若者たちにとって。きっと。情報が届いていない人たちの架け橋になりたい。と言っていた。これも素晴らしい。高齢の人が若者の言葉に耳を傾けることは稀であるのと同じに、若者は高齢のオジサンのいうことなんて耳に届かないだろう。でもオジサンはオジさんでもコロナの怖さを教えてくれる学者のオジサンの話は聞くべきだし、そういう情報が届かないのはたいへんな障害だ。そこを伝えられる人になりたい、と言っていて、あ〜偉いな〜と思った。若者は若者の話なら聞くってところはあるもんね。その役割を担いたい。らしい。素晴らしいですよね。これがただ単純に頭が良くて育ちのいい普通の若者だったら大して話題にはならないと思う。挫折や人生のどん底を見てきた彼がいうから言葉に重みがある。たぶん頭もいいんだろう。話に説得力がある。とにかく自分の誤ちから学んでどん底から抜け出して、頑張って人の役に立とうとしている若者ってだけで私は感動しました。強いよね。心が。別にファンではないんだけど、少し好きな芸人さんとしてこれからも、漫才以外のことも応援します。兼近さん頑張ってください。