近所のS井さん

S井さんはご近所の、元校長先生をしていたおじさん。というかおじいさん…かな。うちの父と同じくらいの歳。シバ犬のハナちゃんを散歩させていて知り合った、犬友だちである。うちの。父のというか、母のというか。私のことも知っていてくれている。とても、いいおじさん。すごくフレンドリーで、いつもうちの前を通ったときは、ココ〜!って言ってくれるし、うちの住人と会ったら、もちろん挨拶をしてくれる。すごく優しい。校長先生とはこのような人だ!と思わせてくれる人。

S井さんちは週末には娘さんとお孫さんがしょっちゅう遊びにくるようで、土日にはS井さんはお孫さん2人と一緒に散歩をしているのをよく見る。うちの父母がココと散歩していたりするのにも当然よく会うし、私も前に何度か遭遇したことがある。お孫さんが、ココ〜!と言って近づいてくるので、あ、ココのこと知ってるんだ?と思うと、後ろからS井さんが来る。それで、ああS井さんとこのお孫さんか。と納得する。私はお孫さんの顔までは覚えていないから。お孫さんたちは、けっこう大きなココのことを怖がりもせず近づいて、撫でたりしてくれる。すごく嬉しい。そして何よりS井さんは、うちのちょっとヘンなお父さんのことも、大きな心で見てくれている感じがする。たぶんちょっと変わった人というのは気づいていると思う。でも嫌な顔もしないし、いつも明るく声をかけてくれるし。本当に近所にそういう人がいてくれてありがたいなと思う。

今日のこと。いつも通りお父さんとお母さんが2人で夕方のココの散歩に出かけた。5時45分くらいのこと。そして6時半ごろ帰ってきたお母さんの表情が何かいつもと違った。なにか緊張感があった。どうしたの?とすぐ聞いた。聞いたけど、すぐにピンときた。ココが、誰かを噛んだんだと。誰を?そう聞くと、S井さんのお孫さん。ということ。ああ、最近ココ、なんか気持ちが浮かないみたいで、なんとなく不機嫌だった。具合が悪いわけじゃないみたいなんだけど。今日こそ、ココ、元気かな?と話していたんだよね。そうしたら、そんなことをしたと。どんな感じかと聞くと、血も出ておらず、平気だよ、って言われたらしい。ココは狂犬病の注射もしているから、まあ大丈夫なら良かったけど…。でも、きちんと謝りにいかないと。って母と話した。菓子折を買うか。冷蔵庫のイチゴを持っていくか。とかいろいろ考えたけど、とりあえずものすごくご近所さんなので、すぐに、手土産はなくていいから謝りに行ったほうがいいんじゃないか。と私が言って、母は出かけた。父がリードを持っていたらしい。散歩中に子どもが近寄ってきたら、やはり少し手前に引いておくべきではなかったのか、と思う。が、父は認知症だ。元から気のつくタイプではない。今はパッと見は普通だが、けっこうしゃべると、はっきり認知症、という感じには進んでいる。そういう判断も出来ないかもしれない。そのあたりももう話したらどうか。という風に二人で話した。しかしもちろん認知症の父に責任があるという訳ではなく、それを防げなかった母に非があるという風にいうべきなのだけど。 …しかし結果は、、予想は少ししていたけど、S井さんは、やっぱりめちゃくちゃいい人だった。。気にせんでいいから!!!って、ものすごく言われて、何もこちらは持って行かなかったのに、S井さんが釣った魚までお土産にもらって帰ってきた。お孫さんとそのお母さんも出てきて、ニッコニコで、全然大丈夫!痛くない。これからも遊んでね!と言われたらしい。ここまで良い人だとちょっと感動してしまった。ちょっとウルウルしてしまった。お母さんもしてたかもしれない。へぇ〜〜やっぱいい人だねえ〜!!ってお母さんに言ったけど、お母さんも、ほんと、いい人〜!!って言ったけど、案外二人ともウルウルしてたんじゃないかと思う。笑 本当に優しい人がご近所にいて有難い。。これからもいい関係でいてもらえたら嬉しいです、S井さん。☺️

 

あとで詳しくきいたら、菓子折り買っていってたんだって、。あ、やっぱりそうだったのね。へんだと思ったー。