近所のK藤さん

3軒隣の〇藤さんは専業主婦で、私が密かに尊敬している人物である。

母の長年の友人であり、子供が同じ学年だったりと、もう長いことお馴染みのご近所さんだ。旦那さんと数年前に死別し、娘さんも結婚して出て行って(今年の話)、一人で暮らしている。なぜ私が尊敬するのかというと生活に無駄が無いからである。毎週の生ゴミの袋はいつも一番小さい小である。毎日朝晩と犬の散歩を欠かさない。ついでに人間の友達とも散歩をする。私がたまに布団干しをするときにふと◯藤さんちを見ると、だいたい既に干してある。そして天気があやしい日には決して干さない。雨に降られるなどというヘマは絶対にないのだ。そして私がとても感心しているのが、ご近所のいろいろなネタをかなり詳しく知っているということである。これは要するに噂好きのおばちゃん以外の何者でもないわけだが、私はそこをとても評価している。旦那さんに死なれ子供も出て行き、働くとなぜかそちらの方が税金などの関係でお金が多く出てゆくことになるらしいのであえて働いていないらしいのだが、お金の全くかからないことで毎日を、人生をとても楽しそうに生きているからだ。妹たちなどはその人のことを知りたがる性分を結構嫌がっていて、実は◯藤さんは私以外の姉妹には全く人気がない。でも私には好ましく見えるのだ。ヒマを楽しくする、しかもお金のかからない方法で、ということを実践しているから。そして大事なポイントだが、ちゃんと常識のある人で、人に探りを入れるときに、あまり下品な物言いはしない。まあただのおばちゃんなのだが、そこはある程度の品位を保っているよなあと思う。だからあまり嫌な気がしない。少なくとも私はだが。そして◯藤さんはがんサバイバーである。旦那さんとともに癌になり、旦那さんは天に召されたが◯藤さんは回復した。癌センターの人たちから、もっと入院していて欲しい。◯藤さんがいると病室が明るくなるから。と言わしめた、明るい人なのだ。そして快復したからといっても再発の不安もあるだろう。しかし表向きの彼女はとても明るい。そういうところも尊敬するポイントである。彼女のように生きたい。と思って憧れている人物なのである。スーパー主婦。他の姉妹が聞いたら、なぜあの人を!?って反応が来るだろうな。笑 しかし私にとっては、憧れだ。

しか〜し。私が最近になりようやく調子が上がってきて、やっと庭木の手入れができるところまできたので、張り切って垣根を刈り込んでいたら、数日後に、『〇〇ちゃん(私)頑張ってたね。元気になってよかったね。でもサツキは今刈ったらダメなのよ。芽を摘んじゃうから。』と言っていたと母から告げられ、一言多いわ!!と思わず悪態をついてしまった。(しかし作業中に通りかかったという記憶はない、どこから見ていたのか謎だ。さすがだ) 私も、今は刈り込みどきじゃないかもしれん…。とは思ってたけど、春先からずっと調子がどん底で、やっと元気になってきて、それでやっと、伸び放題になっていたサツキを刈ったわけで。クッソォ〜〜!!って思ったけど、まあ◯藤さんにしてみれば、ちゃんと花がつくように助言してくれたわけで。ま、いっか。と思うことにする。もちろん彼女は花が終わったらすぐに自分で刈り込み、綺麗な状態で毎年花をちゃんと咲かせている。だから文句?をいう相手ではないのだ…。まあご近所に私という人がいるんですよと認識してくれる人がいるだけでも有り難いので、これからも腐らずに庭木の剪定を頑張ってやろう。と思った出来事。