K藤さんちの犬

K藤さんちの犬は17歳。リリーちゃんという名前。しかしオスである。名前、適当につけてるよね…。たしかチワワ。もちろん室内で飼っている。当たり前だよね、チワワだもん。

K藤さんは自分には厳しく、節制した生活をし、無駄がない。徹底されていて本当に感心する。お風呂の設定温度は低い。携帯はガラケーで料金は1980円。かけるときはワン切りし、相手にかけさせる方法を取るため、話し放題プランではないという。(固定電話があるのでちゃんとした相手のときは固定電話からかけると思われる)先日65歳の誕生日を迎えて、晴れて公営のジム、プールが無料になるや、毎日のように母を誘う。(今までは健康のためとはいえ有料だったので週一であった)。とにかく安く出来ることは確実に安く実行に移し、確実に効果を上げる。健康にいいことを実践する。そのためには少しの出費は致し方ない、しかし最低限で。という考え。とてもすがすがしい。理想的だ。K藤さんのおかげで母はプールに定期的に行くようになり、膝の痛みがかなり軽減された。水中ウォーキングがいいと前々から医者に言われながら、一人ではなかなか実行できずにいたのだ。K藤さん様々だ。最近など、何も用事がないのに我が家のチャイムを押して訪問し、玄関先でしゃべり、帰って行く。わざわざおしゃべりしに訪問するのだ。15分ほど。なんという素晴らしい。と私は感動している。大げさだが。歩いて1分の距離なんだから、寂しければしゃべりに行けばいい。と誰もが思っても、なかなか実行する人はいないのではないか、と思う。用もないのに、と。手土産もないのに。以前はちょっとした手土産とともに来訪していた。しかし、最近は手ぶらでやってくる。全然オッケーだ。陽を浴びた方が健康にもいいし。歩いた方がいいし。母だって少しお喋りするのは何の不都合もない、むしろ楽しい。とそれもK藤さんはわかっているのだ。そんな感じで、K藤さんのやることなすことほとんどが(すべてではない)、ちょっと前から今もずっと、私のツボを押さえ続けているのだ。

しかし、、リリーちゃん。

まず名前からしてオスでリリーちゃんはない。まずそこからしておかしい。そしてリリーちゃんは贅沢三昧の犬であるらしい。ドッグフードは食べない。肉を好むらしい。しかも牛肉だ。別に年老いたから食べられない、とかではないらしい。ただ単に贅沢犬なのだ。その証拠に硬い骨がお好みらしい。それから、老犬だからもちろんお薬を飲むのだが、飲まないといけないのに、お薬をプッと吐き出すそうだ。まあ犬ってそうよね。と思うが、リリーちゃんはその先が違う。K藤さんはよほど甘やかしているのだろう、ご主人に刃向かってくるらしい。お薬を強要すると『ガルル〜!!!』と、怒ってくるという。えええ〜〜!?って感じ。うちには縁がないが、小さい犬ってそうなのかなあ?最近の話では、K藤さんと一緒に寝ているリリーちゃんがお布団にオシッコをしてしまい、さすがにK藤さんが、「コラっ!!ダメでしょ!!」と怒ったら、まさかの、『ガルル〜!!!』で怒り返されたというから、ビックリ。こりゃあちょっとやばい域の困ったシニア犬…。ジジイ犬。。あ、すいません。とにかく、自分に厳しい分、犬をアホ可愛がりしている…。ように見える。それにもうかなりのご高齢だしね…。でも人間と犬でこうも違うのね。。まあどこにお金をかけるかは人それぞれですよね。しかも、もうご主人も亡くなったし、たしかお母さんも最近亡くされたという話だったように思う。そのぶんというか、犬に、全く嫌な気持ちをさせたくないんだろうな。ノーストレスにさせてあげたいんだろう。でもまあそれにしてもねえ。でも自分のことはきっちりと切りつめられていて、それは知っているので、呆れたり、否定的な気持ちにはならないなあ。ただ、ウケる。リリーちゃんの横暴ぶりが。でもリリーちゃんは幸せだろう。美味しいもの食べられて。ご主人様といっしょに寝れて。まだまだ遠ーい先の話だけど、ココも最後の最後までしあわせな気持ちで過ごさせてあげたいと思う。