悪くなったスイカを食べた両親

このところ、認知症の父に刺激を…!!と、母はいつもそれを気にしいる。それは私も気にしてていろいろやってるけど。とりあえず、毎日のお母さんの買い物にはだいたいお父さんを連れて行くようになった。その他には、近場に住んでいる母の母の家にもお父さんと出かける。98のおばあちゃんはボケていないので、お父さんのよい話し相手になってもらえてとてもありがたい。人見知りの父には、同居していない義理の母という立場のおばあちゃんは、緊張し過ぎず、かと言ってだらけたりはできないので、少しの緊張感を感じながら話すのにちょうどいい距離感なのだ。なので毎日、買い物か、しない日はおばあちゃん宅に夫婦揃って出かけるのが最近の恒例だ。

お父さんは認知症になる前から、元から、魚屋さんや八百屋さんに行って、好きな魚や柑橘類を買ったりするのが好きだった。自転車に乗って。しかし今は自転車にも乗れなくなったので、もっぱら母の車に同乗し、八百屋や魚屋に行く。2日に一度は行っている。いいことだ。最近は前のような魚の好みは忘れてきてるようだけど、魚が好きというのは変わっていない。果物は、八朔。これが大好き。秋は柿になるんだけど。で、もう今は八朔の時期じゃないので晩柑とか甘夏とかなんだろうと思うけど。父は、しょっちゅう晩柑を食べて、これは、八朔だった。とかいう。別にそう思う分には構わないけど、ちがうよ。笑 って感じだ。まあちがうよっていわないけどね。そう思う分には何も問題ないし。なのでツッコミは不要だ。まあ父は趣味もなくてギャンブルとかももちろんしないし。お魚と果物買うのが好きなんだもんね。いろいろ魚と果物を買ってくるのは体にもいいし、楽しいならホントにいいことだとおもいますよ、それは。

ところで今日も八百屋に行った2人。帰ってきてから冷蔵庫を開けると、16分の1くらいに切ったスイカが。はいっている。スイカかったんだ!と私がちょっとびっくりして言ったら、すごく安かったから。98円で買った。と。八百屋さんは味は保証できませんから、もう一切れオマケします。って言われたらしく、二切れあった。ちょっとピカピカというわけではない感じのスイカだ。

美味しかったらラッキーかな。と思い、しばらくスイカのことは忘れていた。夕ご飯後しばらくして、スイカ食べる?ってお母さんが言った。あっ。食べる食べる!美味しかった?って聞いたら。『う〜〜ん。笑』って。ハズレたか。と思ったが一応のこりの一切れをお皿に出してみた。ためしに上の方をスプーンですくってみた。うん!スイカの味するじゃん!美味しい。まあまあ。という感じ。しかし中の方はちょっと美味しくなくなってた。まあ安いから仕方ないか。と言っていたら。おかあさんが、こっちは全然美味しい。さっきのはもっと傷んでてたまーに美味しいかな。くらいの感じだった。といって、がつがつ食べている。笑。ちょっと…私にとっといてくれたやつも、上部だけはなんとか美味しい。くらいのレベルなのに、これが全然ちがう、美味しい。っていうんなら、さっきどんなん2人で食べたんよ??笑笑 高齢者夫婦2人で、腐りかけのスイカ食べたのかい。。なんかの苦行みたいやな…。想像するだにおかしい。食べ終わったあと、お父さんが穏やかに、まずかったね。😊って言ったらしい。死ぬほどウケた。認知症のお父さんが、穏やかにまずかったね…。ツボった。何やってんの、両親2人。40過ぎの娘のために少しだけでもいい方のスイカを残して。まずいスイカを食べて。なん切ない光景。😂 ウケすぎる。でも悲壮感はなかったよ。とお母さんが言ってた。。なんか、そこで放たれた認知症の父のセリフが、なんともひたすら可愛く思えた。。